★六角ボルト「引張強度の曲線」の見方

◆この波形は「引張圧縮試験機」で六角ボルトの「ひずみ(伸び)」と「応力」を表した
「引張強度の曲線」の見方について、ご紹介します。

①「弾性域」
 「適正なトルク」の範囲内の領域。
  この領域までは荷重を取り除くとねじが元に戻ろう
  とする領域になります。
②「塑性域」
 「降伏点」を過ぎると荷重を加えると絵のようにねじ部が
  徐々に伸び始め、伸びと荷重の 関係は曲線状になり、
  負荷がかかった個所が細くなっていきます。
  この状態になると荷重を取り除いた場合でもねじは、
  元に戻りません。
③「破断」
  引張強度の限界が来ると最後は、ねじが壊れてしまいます。


※ここでの要点は
 ☆ボルトの頭部に表記されている「強度区分」を守ることが重要です!
   例)鋼製ボルト 強度区分が「4.8」の場合 ⇒「4」:引張強さ、「8」:降伏点
     【JIS規格】 ・下降伏点(耐力)340Mpa以上・最小引張強さ 420Mpa以上

  ◆耐力(MPa)の求め方=降伏荷重(N)÷有効断面積(㎟)
    例)M6の場合
      有効断面積 「20.1」㎟、 降伏荷重(降伏点);「8500N」の場合
      8500N÷20.1㎟=422.9Mpa 「下降伏点 基準;340Mpa以上=合格
 
  ◆最小引張荷重(N)=最小引張強さ(Rm 〔N/㎟〕)✕有効断面積(㎟)
      420N/㎟x20.1(有効断面積)=8,440(≒8,442)Nが必要  

注)「有効断面積」は、JIS B 1082 「一般用メートルねじの有効断面積」、
  「鋼製ボルトの機械的性質」はJIS B 1051に規定されています!

「引張圧縮試験機」とは? 
  引張力または圧縮力を加え、どれ位の力で、
  どれだけ変化(破断・破壊)するかを調べる試験機です。(右図)


※当社では試験・解析の専門部署を持ち、お客様のものづくりに合わせた
 トルク設定及びねじのご提案をさせていただきます